マチフル -machifull-

新潟や日本や東南アジアの街ネタブログ。見たり聞いたり読んだり買ったりの感想メモも。目指すは陸マイラー。

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【学校蔵の課外授業】佐渡の廃校から考えるニッポンの未来

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『学校蔵の課外授業』は、佐渡の廃校を酒づくりの場として生まれ変わらせた「学校蔵」で毎年行っている特別授業から、地域のあり方や未来の日本を考える一冊です。

特別授業に登壇した3人の講師のインタビューから気になった言葉を拾ってみます。

■『佐渡は東京の30年先を行っている』【藻谷浩介氏】

少子化と人口減で地方の900近い自治体が消滅すると言われた衝撃の「増田レポート」。
しかしその衝撃は地方だけの話だけにはとどまりません。
東京でも地方以上に急激な高齢化が進み、 一気に破綻へと向かうとさえ言われています。

今の佐渡でうまくいくことは、30年後の東京に生かせるはず―。
日本総合研究所調査部主席研究員で『デフレの正体』の著者である藻谷さんは、野生復帰した佐渡の朱鷺に期待を寄せます。
佐渡が朱鷺の生きていける環境を取り戻したことと、合計特殊出生率が1. 88と全国平均より0.4ポイント以上も高いことはつながっているのかもしれません。

朱鷺と人にやさしい島が発信できることは多いように思います。

■『「魅力発信モデル」は「課題共有モデル」に負ける』【酒井穣氏】

魅力発信モデルとは、地元の人がよく言う「 新潟は食べ物が美味しいんですよ」というようなこと。
でも実は、田舎に行けばどこでも食べ物はそれぞれに美味しい。
食べ物が美味しいだけでは差別化は難しいのです。

だったらむしろ「この美味しいお米を作る棚田は存続の危機にあります。存続するために力を貸してくれませんか」と言って協力してもらう方がいいと、株式会社BOLBOPの代表取締役CEOで『新しい戦略の教科書』著者の酒井さんは言います。
危機意識や課題を共有することが強いつながりを生み、地方に新たな仕事を生むことにもつながります。

地元のいいところを繕い、元気なふりをついしたくなってしまいますが、そうではないんですね。これは目からウロコでした。

■『希望に「棚からぼた餅」はない』【玄田有史氏】

希望は大企業や役所から降ってくるものではない。 自ら動いてもがいた先に本当の希望がある―と、経済学者で『希望のつくり方』著者の玄田さん。
自ら動く「希望活動人口」が増えることが地域を元気にすると言います。
地方創生がうまくいくところも、きっとこの希望活動人口が多いところなのでしょう。

ウチの地元はどうなのだろうと、つい考えてしまいました。