マチフル -machifull-

新潟や日本や東南アジアの街ネタブログ。見たり聞いたり読んだり買ったりの感想メモも。目指すは陸マイラー。

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【教えないスキル〜ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術】自分で考えるために大人にできること

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「ちゃんとやれ」「なんでできないんだ」はすでにパワハラなのだそうです。
日本はパワハラ大国ですね。

久保建英が移籍したスペインのビジャレアルに日本人コーチがいたとは知りませんでした。
『教えないスキル〜ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』は、2010年からビジャレアルCFの女子トップチーム監督を務めた佐伯夕利子さんが、2014年から始めた指導改革について綴ったものです。

 

佐伯さんは問いかけます。
『私たち大人は、子どもや若者が自分で考える機会を奪っていないでしょうか。萎縮させず、対等な関係性を築いているでしょうか。心地良く自由に学べる環境を与えているでしょうか』
スポーツだけでなく、親子関係やビジネスでも同じことが言えそうです。
反省しながら読み進めます。

◇ ◇ ◇

自分で考える機会を奪っていないか?と問われると、あーしろこーしろがダメならどーすりゃいいんだ?と思ってしまいます。

問いを投げかけ、考える癖をつけること。
ダメ出しではなく問いかけであると理解してもらうこと。
YESかNOで済む問いかけではなく、どうして?どのように?といった「オープンクエスチョン」を心がけること。
安心して失敗できる環境を与えること…。
これらを実現するために、まずはコーチの側にアクションカメラをつけ、自分の言動を振り返らせたのだそうです。ひゃー。

つまりは教える側の問題だということです。
日本は頑張るし真面目だけど、子どもたちに自分で思考する習慣がないと、佐伯さんは言います。
スポーツだけじゃない、日本の教育全体の問題ですね。
大人がもっている答えがすべてというのが、日本の文化。
これではイノベーションは生まれないです。
教え込まれた時点で「自分で考える」という脳の働きは停止してしまうのです。

◇ ◇ ◇

佐伯さんは言葉の大切さを説きます。
「いいね!」は意味のない言葉なのだそうです。
リアクションで言葉を発するのは、誰にでもできること。
「ナイスプレー!」だけじゃなく、選手自身が認められていると感じるメッセージを込めることが大事といいます。

言語化を進めることにも慎重であるべきと佐伯さん。
指導者が表現した言葉が、選手の行動に制限や規制をかけることにもなりかねないからです。
ありましたよね、監督の言った「つぶせ」の言葉を勘違いしたとされた大学アメフトの反則タックル事件が。
安易に言葉を出す前に共通認識を持つことが大切なのです。
もっとも大学アメフトの事件は、監督から選手へのパワハラが根底にあったので、そもそも言語道断ですが。

◇ ◇ ◇

佐伯さんは、日本は「生き易いけど、息苦しい国」と言います。
子どもだけじゃなく、大人だってそう。
日本の文化は、大人がもっている答えがすべてではなく、年寄りの言うことが正解みたいになってきていると感じます。
だから森ヨシローみたいなのが出てくるわけです。

僕も会社ではもはや年上のゾーンに入ってきました。
自分で考えて動けるイノベーティブな国になるためにできることは、さっさと身を引くことなのかもしれないです。