【本田哲也×佐藤尚之】あの頃の「明日」は今。そして明日はどうなる?
佐藤尚之さんの『明日の広告』が出たのが2008年。
その頃はまだTwitterをやっている人はほとんどいなかったし、スマートフォンも出ていませんでした。
9年ひと昔、いや、ふた昔以上でしょうか。
あの頃の「明日」が今なんですね。
本田哲也さんの新刊『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』刊行を記念して行われたトークイベント、佐藤尚之さんと本田哲也さんの「人が動くってどういうことだろう?会議」に参加しました。
本田哲也さんと言えば、LINEの田端信太郎さんとの共著『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』の印象が強いです。
そして佐藤尚之さんは『明日の広告』を刊行して1年くらい後に講演を聞いたことがありました。
明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)
- 作者: 佐藤尚之
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2008/01/10
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『明日の広告』は、広告を企業が生活者に渡すラブレターに例えて、長年広告プランナー=「ラブレター職人」だった佐藤さんが、これからの時代はいいラブレターを書くだけじゃなく、渡す相手を知ることとか、渡す方法や演出、渡した後のフォローなどが大切なんだよ、と伝えています。
でもそのラブレターの渡し方の中でも、ソーシャルメディアのことはまだ書かれていなかったように記憶しています。
僕がTwitterを始めたのは、この講演を聞いた直後くらいです。
その前からブログは書いていたけど、Twitterは革命的でした。
当時仕事は内勤で社外の人と知り合う機会は限られていたにもかかわらず、Twitterを通じて、これまでなら知り合うこともなかったような方とどんどんつながっていきました。
ちょうど新潟でもTwitterユーザーが有志で集まる会が開かれたりしていた頃です。
これってアーリーアダプター?と自分に酔ったりして。
その少し後に刊行されたのが『明日の広告』に続く2作目『明日のコミュニケーション』でした。
この本のテーマはほとんどソーシャルメディアがメーンになっています。
ソーシャルメディアの時代に情報を拡散させるカギになるのは共感であると佐藤さんは言っています。
明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法 (アスキー新書)
- 作者: 佐藤尚之
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/10/11
- メディア: 新書
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ちょうどこの頃、日本でFacebookが広まり出します。
あっちでもこっちでも「いいね!」
Twitterでも公式リツイートが始まり、共感で情報が拡散されるのが本格化します。
普通に仕事で会ってるような人や同級生がFacebookに現れ出したのもちょうどこの頃。
もはやソーシャルメディアも僕もアーリーアダプターではなくなってました。
その後佐藤尚之さんの『明日の…』シリーズ3作目として『明日のプランニング』が刊行されます。
もうこの頃はソーシャルメディアは当たり前になり、情報洪水の世の中に情報を発信することは、砂漠の中に砂を一粒落とすようなものとまで佐藤さんは言っています。
一方でソーシャルメディアに触れていない人も半数以上はいて、情報格差が広がっているのは、この本が出てから2年が経った今もそう変わっていないと感じます。
明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法 (講談社現代新書)
- 作者: 佐藤尚之
- 出版社/メーカー: 講談社
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トークイベントの前提で、佐藤尚之さんの著書とソーシャルメディアの変遷を振り返っていたら1,500字以上にもなってしまいました。
ある情報がバズったとして、それを継続させることができるかが、企業の情報発信で問われていると佐藤さんは言います。
あらゆる情報があっという間に消費されて古くなっていきます。
砂ぼこりが全速力で飛んでいく感覚。
「砂の一粒」時代と書かれてから2年が過ぎ、情報が多いだけでなく、時間という要素が加わったんですね。
情報で本当に人を動かすなんて絶望的じゃないかとさえ思ってしまいます。
だからこそ情報発信に戦略が必要と本田さん。
その辺りは新刊に載っていそうですね(すみません、まだ読めていないです)。
数年後の社会はどうなっているのか。
きっと想像を越えていくのだろうと思います。
だって、ほんの8年で中学生の長男がTwitterを複数のアカウントで使って数百のフォロワーを得るようになっているなんて…想像できなかったですから。
8年後に何が起こるかなんて想像することが無理。
だからこそ次々目の前に現れる次の時代をキャッチしていくしかないのかな、と思っています。