マチフル -machifull-

新潟や日本や東南アジアの街ネタブログ。見たり聞いたり読んだり買ったりの感想メモも。目指すは陸マイラー。

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【ダンケルク】戦時中の実話を映画化…40万兵士の戦場サバイバルをリアル体験

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もう怖すぎるって。
いつ撃たれるか、爆撃に遭うか、船が沈められるか、分からない恐怖。
こんな映画、夜に観たら絶対夢に出るでしょ。
しかもこれが歴史の事実だというのだから、さらに怖い。

映画『ダンケルク』は、第2次世界大戦中にフランス北端のダンケルクに追い詰められた英仏連合軍の兵士40万人のサバイバルを描いた作品です。

 

ダンケルク(字幕版)

ダンケルク(字幕版)

 

 

ダンケルクの戦いは戦時中に本当にあった話で、実際には30万人以上の兵士が救出された奇跡の大脱出として英国人の間ではよく知られています。
でも映画の中では、英国本土へ向かう救助船に乗り込む桟橋の行列に容赦なく爆弾が落とされたり、ようやく乗り込んだ救助船が今度は魚雷や爆撃で沈没させられ、海に投げ出されたり…。「人がゴミのようだ」はラピュタのムスカですが、まさにそんな感じ。
途中までは奇跡が起こるとは到底思えない、とにかく救いがない、恐怖のシーンの連続です。

恐怖をさらにかき立てるのが音楽、というか、音です。
この映画、ラストシーンまでは音楽らしい音楽はほとんどなく、流れているのは爆撃機のエンジン音か、それとも耳鳴り?と思うような重低音と、心臓の鼓動や時計の針の音のようなドクドクカチカチ音ばかり。
セリフも最小限です。人間、極限状態になるとほとんど話さなくなるということなのでしょう。
ダンケルクのどこまでも続くような遠浅の海と、絶え間なく打ち寄せてくる波も、どこまで行ってもここからは逃げ出せないのではないかという絶望を感じさせます。

この映画、戦争映画によくある勇ましいヒーローはいません。
ストーリーは、不安や困難を乗り越え必死で生き残ろうとする青年兵士トミーと、ダンケルク救出に向かう遊覧船の船長ミスタードーソン、イギリス空軍戦闘機の操縦士ファリアの3人の時間軸がミックスされながら進んでいきます。
でも何よりの主役は、なんとかしてダンケルクを脱出し生き残ろうともがく兵士ひとりひとりです。
敵の姿も出てきません。現れるのは銃弾や爆弾、敵の戦闘機だけ。これが戦場のリアルなのでしょう。
こうして観ている僕たちもダンケルクに投げ出されてしまう感覚は、まさに戦場バーチャルリアル映画と言えそうです。

それにしても、ほんの1〜2世代前まで、狭いヨーロッパの隣国同士が熾烈な殺し合いをしていたというのは、いま改めて考えるとショッキングです。
今やEUで一つになり、パスポートなしで行き来し、ドーバー海峡もトンネルができてつながったというのは、時代の変化を感じずにはいられません。
ずっとこうしていられるといいのですが。
え、Brexit? うーん…。