マチフル -machifull-

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【学習院大教授・伊藤元重さん】アジアとの「引力」で日本はもっと発展できる

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学習院大学国際社会科学部教授で経済学者の伊藤元重さんの講演から。

◇ ◇ ◇

国際経済の世界でも「万有引力の法則」と似たような法則が成り立っていると伊藤さん。
距離が近いほど、そして両国の経済規模が大きいほど、二国間は「引力」が強くなり、結びつきが大きくなる傾向が強いと言います。

近隣のアジア諸国が成長を続ける中で、日本とアジアの引力が強くなっています。
中国を例にとれば、この10年間でGDPは3倍に拡大しました。
上海や北京などの都市部を中心に中間所得層や富裕層が増えることで、日本を訪れる中国人が増え、紙オムツや電器製品、宝飾品などで「爆買い」現象が起こりました。
高級品の爆買いは一段落しましたが、信頼できる日本製の消費財を求める動きはこれからますます大きくなるでしょう。

訪日外国人もアジアを中心に増えています。
スペインでは人口4,600万人の国に6,000万人を超える外国人観光客が訪れています。多くはヨーロッパ諸国から来る観光客で、近くに経済大国があることで引力が働いています。
日本も昨年、年間の訪日外国人が初めて2,400万人を超えました。
この数はアジア諸国が経済成長するにしたがい、もっと伸びていくことでしょう。

爆買いや観光のみでなく、今後はアジアとの間で国境を超えた分業がますます進んでいくと伊藤さんは言います。
iPhoneのように、部品は日本製、組み立ては中国、というのが普通になってきています。
最終製品ではなく部品に強みがあることで、日本の地方にある工場が注目を集めるようになっています。
「ローカル to ローカル」の時代―。日本の地方とアジア諸国が直接交流することで、iPhoneに代わるアジア製の製品が登場するかもしれません。

◇ ◇ ◇

日本はこれから少子高齢化による人口減で衰退していくという論調が強いですが、アジア諸国との関係を深めることでまだまだ発展はできると考える方が幸せになれそうです。
分かっている人はすでに動いている、そう感じた講演でした。

【参考】
◇伊藤元重:アジア貿易の「引力」を生かし、拡大する中間所得層の活力を取り込め:nikkei BPnet 〈日経BPネット〉
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130708/357327/?ST=mobile

 

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