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マチフル -machifull-

新潟や日本や東南アジアの街ネタブログ。見たり聞いたり読んだり買ったりの感想メモも。目指すは陸マイラー。

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【縮充する日本】新潟の大雪で考えた…人口減の日本で「参加」を増やす6条件

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例えば、今回新潟県内を襲った大雪で。
道路の除雪がなかなか来ない。
役所に苦情の電話を入れる前に、だったら自分たちでやってしまおう!となるために、何が必要か…。

そんなことを考えながら読んだのが、コミュニティデザイナーの山崎亮さんが書いた『縮充する日本』(PHP新書)です。

 

縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望 (PHP新書)

縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望 (PHP新書)

 

 

「縮充」という言葉は、編み上がった羊毛製品をアルカリ溶剤につけることで、縮みながらふんわり仕上げる「縮絨」から来ています。
人口が減っていく日本も、ただ縮むのではなく、縮充することで柔軟で温かみのある社会にしていければ、と山崎さんは訴えます。
日本を縮充させるアルカリ溶剤の役割を果たすのが「参加」の考え方です。

参加と言っても、何も今に始まった新しい話ではありません。
むしろ日本の人口が急増し、経済的にも発展を遂げたこの100年ほどが「特殊」だったと山崎さん。
世の中が経済優先になる中で、直接的に儲けにつながらない市民活動などは行政などに任されるようになっていきました。
挙句の果てには「俺は税金を払ってるんだぞ!」とばかりに、住民が行政の「お客さま」になっていったのです。あーあ。

しかしそれも、人口減と税収減で限界に近づいています。
また、市民活動などから離れたことで、改めて人と人のつながりが求められる時代が来ています。
100年前に回帰するのではない新しい参加の動きが、政治やまちづくり、エコ、情報などあらゆる分野で求められ、また自然発生的に起こり始めていると山崎さんは言います。

◇ ◇ ◇

とはいえ、参加しやすい世の中になるにはいくつかの条件があります。
第3章の政治参加の項で、政治への市民参加が進む条件が6つ挙げられています。
これらの条件は政治に限らず市民活動全般にも当てはまりそうです。
冒頭に書いた除雪の例に当てはめて考えてみたいと思います。

1.市民へのインフォメーションが与えられること

一言で言えば情報です(訳しただけですが)。
雪かきが出来なくて困っている家はこちらです、とか、雪捨て場はあちらです、とかが明らかになっていると参加しやすいですよね。

2.参加した行動が有効であると市民が感じられること

分かりやすい成果があると参加しやすくなります。
除雪は分かりやすいです。雪がなくなればいいんですから。
でも新潟市などでは除雪してもしなくてもだいたい数日で道路の雪は消えてしまうので、むなしい思いになることも…。

3.費用の負担を市民が受け入れられること

費用と言ってもおカネではなく、時間や労力のことだそうです。
一人でも多くの人が手伝ってくれれば、一人当たりの負担は減るはずです。
みんなでやろう!となれるかどうかがカギですね。

4.参加することが生活や仕事に支障をきたさないこと

山崎さんは「偏見」と言っています。
「あの人、最近一生懸命やってるけど、議員さんにでもなるつもりかしら」みたいなことでしょうか(違う?)。
そんなこと気にしないでみんなで参加しよう!となるといいですね。

5.行動する市民のための教育が学校でも行われること

自分たちのことは自分たちでやろうということを学校でどう伝えるか、というところでしょうか。
教室やトイレなどを生徒自ら掃除している日本の学校は一歩リードしている気がしますが、どうでしょう。

6.圧倒的な影響力ではなく対話で活動を進められるリーダーが存在すること

リーダーはスーパーマンである必要はないと山崎さん。
むしろ最初は「自信はありませんけど…」と言うような人ほど、メンバーたちがうまく背中を押し、できないことはできる人がカバーし合う、いい参加型の組織が作れるのだそうです。
この辺りは会社組織とは違いますね。いや、会社組織もそうなりつつあるのかもしれません。

◇ ◇ ◇

21世紀の参加のモチベーションには「楽しいから参加する」というポジティブさが何より大事と、山崎さんは言います。
目指すはクライマーズ・ハイならぬ「雪かきーズ・ハイ」でしょうか。
次に雪が降ったときに試してみましょうかね。