【ラオスにいったい何があるというんですか?】行ってみなければ分からない!
ラオスには何がある?…隠れたコーヒー産地なんだそうです。最近気になっています。
『ラオスにいったい何があるというんですか?』は、村上春樹さんが1995年から2015年にかけて雑誌などで発表した紀行文をまとめた本です。ラオスの他にも、ボストンやニューヨーク、イタリアのトスカーナ、ギリシャの島々、アイスランドなど、世界のさまざまなところへ旅をした様子が書き記されています。
本の題名にもなっているセリフは、村上さんがラオスのルアンプラバン(ルアンパバーン)に向かう途中、トランジットで立ち寄ったハノイでベトナム人に言われた言葉なのだそうです。
ベトナム人からすると、ラオスのような発展途上の小国へ、経済大国の日本人が行くのが不思議なのかもしれません。
村上さんは一瞬返答に窮しながらも「その何かを探しにこれからラオスまで行こうとしている」「それがそもそも旅行というものではないか」と綴っています。
僕も東南アジアへ行く時に「クアラルンプールに何があるの?」などと言われることがあります。
「えー、食べ物が美味しいし、暖かいし…」などと適当に答えてしまいますが、きっと日本にない何かを、何かは分からないままに探しに行っているんです。
行ってみなけりゃ分からない!ということですね。
◇ ◇ ◇
ルアンプラバンは世界遺産にも登録された仏教の都で、多くの寺院と托鉢にまわる僧侶があちこちで見られる信仰心の篤い街なのだそうです。
街のすぐ前を流れるのはインドシナの大河メコン川。静かで穏やかな街とは対照的な大河の流れは、「不穏な」「得体の知れない」と表現したくなるほどだそうで、相当印象深かったようです。
そんなルアンプラバンを村上さんは「自分が見たいものを自分で見つけ、それを自前の目で、時間をかけて眺めなければならない」と評しています。
人口2万人ほどの小さい街なので、目に飛び込んでくるような刺激的なものは少ないのかもしれません。だからこそしっかり意識して見ないと、この街の面白さは分からない、ということでしょうか。
例えばこの街の寺院の壁に描かれたさまざまな絵。これらにはそれぞれに宗教的な物語があり、街の人に聞けば描かれた物語を進んで解説してくれるのだとか。
意識して眺めて、教えてもらわないと、ただの壁画としてスルーしてしまいそうです。ちゃんと眺めることで「物語が満ちている」この街の奥深さが分かるのです。
東南アジアに行くと、それが仏教であれイスラム教であれヒンズー教であれ、人々の生活のすぐ近くに宗教があると感じます。
例えばヒンズー教寺院の門の上に立ち上がる極彩色の飾りや、イスラム教のモスクから大音響で流れるアザーン、仏教では托鉢の光景なども、普段ほとんど無宗教に暮らしている僕は「流れ作業で情報処理」できない奥深さを感じます。
これこそが「日本にない何か」だったりするわけです。
◇ ◇ ◇
旅先で出会った風景にはただの写真とは違って、匂いや音、肌触りがあって、出会った時の心の震えがあると村上さんは言います。
この本のオビには「旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない」と書かれています。そんなうまく行かなかったトラブルも、今となっては旅の大事な思い出のひとつになっています。
久しぶりに心が震えるような何かを探す旅に出かけたくなりました。いや、震えるほどのトラブルは勘弁したいですが。
アジア周遊 プリペイド SIMカード!韓国・台湾・シンガポール・インド・日本・ラオス・香港・マレーシア【8日間3GBデータ定額!3G/4G通信】AIS Sim2Fly Sim
- 出版社/メーカー: Sim2Fly
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る