マチフル -machifull-

新潟や日本や東南アジアの街ネタブログ。見たり聞いたり読んだり買ったりの感想メモも。目指すは陸マイラー。

広告

【新富裕層の研究―日本経済を変える新たな仕組み】未来の常識が始まっている

広告

『新富裕層の研究―日本経済を変える新たな仕組み』(祥伝社新書)は、今の世の中の仕組みを知り、次の時代の変化を感じ取る一冊。
著者の加谷珪一氏は日経BPの元記者からコンサルティング会社の代表を経て、「自らも富裕層になった」(帯より)という経済評論家です。

 

新富裕層の研究――日本経済を変える新たな仕組み (祥伝社新書)

新富裕層の研究――日本経済を変える新たな仕組み (祥伝社新書)

 

 

◇ ◇ ◇

冒頭、DeNAのキュレーションサイト閉鎖騒動で一気に有名になってしまった「iemo」の創設者が、べた褒めされています。
ネットの普及で、個人でもアイデアさえあれば、チャンスをつかみお金を稼ぐことができる時代。ネットメディアを立ち上げてわずか9ヵ月でDeNAに20億円で売却したのは、まさに時代の寵児だったのでしょう。
でも、立ち上げに大きな資本が必要なくなったからこそ、その理念や中身が重要になっていると感じます。カネもPVも稼げばいいってもんじゃないんだよ、と言いたくもなります。

個人が持つ資源がネットを使ってシェアされて、多くの人に使われる時代も来つつあります。
個人のマイカーをタクシーにする「Uber」や、個人所有の家や部屋をホテルとして貸し出す「Airbnb」が代表例です。
Uberは僕もシンガポールで初めて使って便利さを実感しました。スマホでクルマの位置がリアルタイムにチェックできて、決済も事前登録したクレジットカードで現金いらず。そのうちタクシーは全部Uberになるような気さえしました。

日本では法規制などでこれらのシェアリング・エコノミーが定着しにくい状況にありますが、それも時間の問題だと思います。
地方では労働力不足が深刻になり始めています。
一般人の運転するUberがタクシーやバスの代わりになるのも、そう遠くはないでしょう。人を乗せるのが難しいなら、モノを載せて運ぶ宅配業がUberになる可能性だってあります。

「常識を捨て去ること」と加谷氏は言います。
例えばマイカーの自動運転が実現すれば、スマホを使って1台の車を何人かでシェアして都合のいい時間に使うことができます。
誰も使わない時間はUberでタクシーとして使うことだってできます。夜中はコンビニの配送を自動でするかもしれません。駐車場だって必要なくなるかも…。すごい時代がやって来ようとしているんですね。

◇ ◇ ◇

そんな近未来に僕のような企業勤めのサラリーマンはどう働けばいいでしょう。
最後に書かれているのを引用します。

『人々の価値観はさらに多様化し、市場は成熟化しています。多種多様な価値観に合わせた新しいサービスを次々に投入していかなければ、企業は存続していくことができません。すべてを社内のリソースに頼って集団で仕事をするよりも、外部リソースをフル活用させて個人で仕事を完結させた方が効率がよいことは明らかです』

この外部リソースのフル活用というのは、実際ここ数年でそうなってきていると感じています。
いろいろ大変なこともあるけど、でも社内だけでワッショイするよりずっといい。みうらじゅんが自身を「一人電通」と称しているけど、企業のサラリーマンも一人電通になることが求められているのかもしれません。