マチフル -machifull-

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【芸人・絵本作家 西野亮廣さん】当事者を増やすこと、体験と結びつけること

『えんとつ町のプペル』は「売れる絵本」を本気で狙って作ったのだそうです。

25万部もの大ベストセラーとなった絵本『えんとつ町のプペル』を生んだ、芸人で絵本作家の西野亮廣さんの講演より。

 

えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル

 

 

◇ ◇ ◇

1万部売れればヒットと言われる絵本の世界。
25万部はケタ違いの大ヒットと言えるでしょう。
売れることを狙って西野さんがまずやったことはクラウドファンディングでした。

クラウドファンディングで約5千万円もの資金を調達することに成功した西野さん。
でも金額はそれほど重要ではないと言います。
むしろ重要なのは1万人近くの人がクラウドファンディングに参加してくれたことです。
まずこの1万人には確実に絵本が届きます。
さらにこの1万人が当事者になってSNSなどで発信することで『えんとつ町のプペル』は広まっていきました。

モノが売れるのにSNSが大きな影響を持つ時代。
当事者として参加する人を増やし、その人に発信したいと思わせることが、売れることの第一歩なんですね。

◇ ◇ ◇

西野さんが次に考えたのは、売れないモノをどうやって売るかということでした。
売れるモノとはどういうものか。
パンやお茶、牛乳など…。
これらが売れるのは生活に必要なものだから。
なのに、本を買うのは渋る。それは生活必需品ではないから。
では絵本も生活必需品になればいいと考えたのです。

では本を生活必需品にするにはどうするか。
そこで西野さんが考えたのが、本を「お土産」にすることでした。
映画のパンフレットや、シンガポールのマーライオンの置物、広島の「宮島」の三角形のペナント…。
生活必需品でもないはずなのに、お土産はつい買ってしまう。それはなぜか。
お土産は旅の思い出を残すための装置の役割を果たしているんですね。

では絵本をお土産にするにはどうするか。
西野さんは絵本の原画を無料でリースして、全国どこでも誰でも『えんとつ町のプペル』の原画展を開けるようにしたのです。
そして、その原画展で絵本を「お土産」として売ってもらったのだそうです。
映画のパンフレットの役割を絵本が果たしたんですね。

◇ ◇ ◇

様々な画期的な手法で『えんとつ町のプペル』をベストセラーに導いた西野さん。
さらにはこの絵本をインターネットで無料公開して炎上するなど、話題には事欠きません。
それもこれもこの絵本を一人でも多くの人に読んでもらうため、と考えれば納得です。
いいものを作れば売れる、とは限らない今の時代。売るには売るための巧妙な仕掛けが必要と感じた講演会でした。

【参考】キングコング西野が語る、本が売れない理由 | BEST T!MESコラム
http://best-times.jp/articles/-/4200